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コレです!ヤフオクの説明では動作確認出来ないのでジャンク扱いとの事です。

久々に私好みのデザインの筐体を見つけたので、調べてみたら戦前国産の「コンサートン RM-5」という5球ST管ラジオだと言う事が判りました。

私としては初の ST管ラジオ

さらに調べてみるとこのラジオは戦前の「タイガー電気」というメーカーが作っていた事までは判ったのですが、それ以外殆どの情報が見当たりません。なんとか 1〜2つ位の WEBサイトを見つけましたが情報が少なくて良く判りません。回路図なんか全然無かったです。

情報が無さ過ぎだし諦めようか?とも思ったのですが、ヤフオクでの下記の情報が気になりました。

  1. ケースの虫食い穴を直した跡があるとの事
  2. ケースは割れたりしてなくて、しっかりしてそうに見えた事
  3. スピーカーネットがオリジナルっぽい事
  4. 掲載されていた写真のシャーシのサビが少なそうだった事
  5. 地元初出しというコメント

これらの掲載情報と今までの私の経験から判断すると、どうやら無改造のラジオっぽいと考え、もしや私にでも修理出来ないだろうか?と興味を持ち出してしまいした。

昔の ST管ラジオの故障原因とは?

「コンサートン RM-5」の情報は無かったので、一般的な ST管の故障原因をネットで調べてみました。

  1. 電源トランス断線
  2. 段間トランス断線
  3. チョークコイル断線
  4. マグネチックスピーカーコイル断線

いやはや、昔の ST管ラジオは上記の様に各種トランスの断線が多い事が判りました。これは厄介です。

マグネチックスピーカーコイル断線ならスピーカーを交換し、段間トランス断線とチョークコイル断線ならば CR結合に改造すれば良さそうだし、しかし電源トランス断線ならお手上げという事ですね。

色々考えましたが最終的に覚悟を決めて落札させて頂きました。

そして… 本日到着しました

丁寧な梱包を開き「コンサートン RM-5」を段ボール箱から取り出すと… あらら、思ったより虫食いヒドイっすね。シャーシ上には筐体の木の虫食い粉が一杯降り積もっているし…

やっぱ、こりゃ私の手には負えそうも無いかな〜

なんて思いながら、私のいつもの行事、ワックス掛けです。

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虫食い穴はちゃんと埋められています。この筐体は戦前から塗り替えもせずに完全にオリジナル状態を保っているという証拠ですね。

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電源スイッチ周りもオリジナルのままです。

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ぐえぇ〜!なんと裏板も全くオリジナルのままで全く痛んでいない。奇跡ですね!

裏蓋は単なるネジ留め式ではなくピロボール?を使った「カチッ」と閉まるタイプだし、筐体全体を見ても細かい所まで良く出来ているし、とっても高級感有る作り込みだなぁ〜って感心します。

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スピーカーネットもオリジナルのままで、思ったより綺麗な状態を維持しています。こりゃ、全体的に筐体は全然 OKなんじゃないでしょうか!

シャーシはこれだっ!

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どうです、綺麗でしょ!一生懸命ワックス掛けしましたっ!
100%完全オリジナル状態です。

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サビも殆ど無くて、まるでデッドストックの様です。真空管もピッカピカになりました。
この軍色のシャーシやトランスの色がたまらなく良いです!

う〜む、こうやってみると ST管も味があって良いっすね。

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正面も完全オリジナル状態。完璧です!シャーシ裏の掃除は未だですが、そっちもコンデンサーや抵抗の交換も一切無く完全オリジナル状態でした。

マグネチックスピーカー

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オリジナルで付いていたマグネチックスピーカーも綺麗に掃除しました。

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コーンのエッジ部分が虫食いで沢山穴が空いています。でも全体的にみると虫食い穴は綺麗に丸く空いているだけで強度は全く落ちて無さそうなのでこのまま使うか?エッジ部分だけ補修するか?判断しなければなりません。

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スピーカーには「Concertone」のロゴがありオリジナルの証です。なのでこのスピーカーは動作状態という事もあり何とかこのまま生かしたいと思っています。

な、なんとラジオが正常動作しましたっ!!

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表面全体を綺麗にワックス掛けした後、テスターで各部のチェックもせず、運を天に任せて無謀にもいきなり「電源ON」しちゃいましたっ!

すると… 煙も出ず、なんとっ!ハム音が聞こえるではないですか!

という事は…

  1. 電源トランス OK!
  2. マグネチックスピーカー OK!

一安心です。

この状態でバリコンを回しても何も変化せず、ボリュームも回しても変化せず…

んっ?

ボリューム最大位置で、ハム音が少し変化した?

もしや!と思ってバリコンを回転させてみたら…

突然、地元ラジオ曲が大きな音で鳴り出したっ!

なにっ? このラジオ正常じゃん!

まとめ

なんとっ! 全く驚いたの何の! この「コンサートン RM-5」完全オリジナル状態で、全く正常に放送を受信していますっ!

整備するとしたら、ボリューム最大の時しか機能しないのでボリュームを修理する事と、私の得意なハム音対策を行う事と、古いコンデンサーのリキャップ作業位でしょうか。

あっそうだ、マグネチックスピーカーはエッジ部分が虫食い状態なので、スピーカー自体を交換するか、オリジナルを大事にしてエッジを修理するか?検討しなくてはなりません。

どうせだから OPTトランス噛ませてパーマネントスピーカーにしてしまうという手もありますが、いや、そこはオジリナル重視という事で、綺麗な虫食い状態という事もあり現状のまま使ってみようと思っています。

という事で、ひょんな事から、完全オリジナルで完動の「コンサートン RM-5」を手に入れてしまった訳ですけど、たぶんこんなに程度の良いモノは日本中探してもそうは無いと思うので、私の手で壊さない様に、オリジナル状態維持を最優先にしながら、楽しみながら少しづつ整備して行こうと思います。

という事で、私の GT管ラジオコレクションの中に、初めてで最後の ST管ラジオが仲間入りしました。

では、また〜♡