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ヤフオクで落札した ST管「UX-26B」と「UX-12A」及び「KX-12F」がやっと届いたので早速取り替えてみた。そして、壊してしまった「UY-24B」が入手困難なので、コンパチの「24A」に取り替えてみました。こいつ、で、デカイっ!

結局全ての真空管を交換した事になるけどハムとノイズ音レベルは殆ど変化無く、オリジナルで付いていた真空管は正常だった事が確認出来ました。

原因は「UX-26B」じゃなかった

いままで一番疑わしいと思っていた低周波増幅管の「UX-26B」を取り替えてみた結果…

何も変化なし。相変わらずハム音やジー音がしています。

つまり「UX-26B」が原因では無かったという事です。

「UY-24B」のグリッドプレートの接触不良

という事は、その前段が怪しいのか?と思い「UY-24B」の頭に付いているグリッドプレートを触ったりなんかしてたら「ガリガリ」というノイズが発生。

どうやら接触不良を起こしていた様です。

これはハム音に対する直接の原因ではありませんが動作不安定要素なので、治そうと弄っている間に真空管の頭の根元から配線が切断され、半田付けが出来ず修復する事さえ出来なくなってしまいました。

よって、この「UY-24B」は別途ヤフオクで探す事になりました。

オシロで波形をモニターしてみる

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まず低周波増幅用 B電圧の交流リップル分は約 200mV位だった。実験で大容量の電解コンを並列接続し、このリップル分を10mV位まで減らしてもスピーカーから聞こえるハム音レベルは変化しなかったので、元の電解コンの値で問題なしと判断した。

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次に高周波増幅用 B電圧の交流リップル分は約 10mV位だった。実験で大容量の電解コンを並列につないで、このリップル分を測定範囲外位まで減らしてみてもスピーカーから聞こえるハム音レベルは変化しなかったので、元の電解コンの値で問題なしと判断した。

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「UX-26B」のヒーター電圧 1.5Vを計測してみた。ハムバランサーらしきチョークコイルの電解コンを実験で大容量に増やしてみたけど、スピーカーから聞こえるハム音レベルは変化しなかったので、元の電解コンの値で問題なしと判断した。

この回路は電源トランスから直接出ている配線で、多分ヒータ用コイルのセンタータップだと思われるが、回路図が無いのでどうなっているのか不明なので、実験内容は不正確なものかも知れません。

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「UX-12A」のヒーター電圧 5Vを計測してみた。

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「UX-12A」のプレート電圧、つまりマグネチックスピーカー端子の波形を計測してみた。ご覧の様に意味不明なパルス性ノイズが盛大に乗っているのが判る。実際にスピーカーから聞こえるノイズは「ブー」という交流ハム音なのだけど。

この波形は前段の「UX-26B」のプレート出力でもレベルは低いものの認められるから、このノイズは全体的に少しづつ増幅されて終段出力まで来ているものと思われる。

ハムとノイズの原因は「金属製の机」だった!

そして、そうこうシャーシをひっくり返したりしているうちにある事に気付きました。

  1. シャーシを立てている間はハム音とジー音やその他ノイズが軽減する
  2. シャーシを横にしている間はハム音とジー音やその他ノイズが多い

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ん?

という事は金属製の机の影響を受け、シャーシ内部の部品が何か静電誘導か電磁誘導を受けているのかな?と思う様になり調べてみると、上記写真の様に再生検波段の同調コイルがシャーシ下部に位置していて、シャーシを寝かせるとご覧の様にほぼ金属製の机の表面と接触する位近づいているのが判ります。

では… という事で、試しにシャーシのアースと金属製の机をみの虫クリップで接続してみたら…

見事にハム音が軽減し、ジーというノイズや、時折発生するガサゴソというノイズも少なくなりました。

成る程、金属製の机を媒体とした何かしらのグランドループが発生していて、それが各種ノイズの原因だったという事がこれでハッキリしました。

まとめ

よって「コンサートン RM-5」のアースは私の金属製机に落とすという使い方で問題は解決です。

しかしそれでも残ったヒーターハム音は ST管を使った戦前の直熱管高一ラジオとしては当たり前として許容する事にしました。戦前の高一ラジオは感度調整用ボリュームがあるのみで音量調節用ボリュームが無く、低周波増幅から電力増幅まで最大レベルで増幅する為、つまり一般的なラジオで言うと常に最大ボリューム状態なので、どうしてもヒーターハム音は仕方ないのかも知れません。

しかし、戦前の高一や並四で音量ボリュームが付いていないタイプのモノが結構あるけど、皆さんどうやって音量調節していたのでしょうか?私の「コンサートン RM-5」はえらくデカイ音で鳴るので音量を抑えるのに苦労していて、私は再生バリコンを回して再生を弱めたり、メインバリコンをワザワザ離調させて音量を下げたりなんかしています。

「コンサートン RM-5」の真ん中のボリュームは回路的にはアンテナ端子に繋がった感度調節ボリュームの様ですが、高周波増幅段にある同調コイルで直接受信してしまう強力な曲などには音量調節として殆ど使えず、一体何の為にあるのか?理解出来ません。感度調節用じゃなくて普通のラジオの様に音量自体を制御出来た方が使い易いと思うのですが…

壊れた「UY-24B」をヤフオクで探したら手に入り難い球らしいので、代わりにコンパチの「24A」を入手して使ってみました。「24A」は「UY-24B」に比べ大きいとは聞いていましたが、やっぱりかなりデカかったです。無事シャーシ上に収まったのでホッとしてますが、届くまではヒヤヒヤもんでした。

では、また〜♡

追伸

その後ふと気付きがあって、オリジナル回路のトランス AC100V入力ラインとシャーシ間に設置されている 0.01μFのパスコンを外してみました。

これは ACラインに混入するサージや外来ノイズ、同調ハム等を軽減する為のコンデンサーですが、私の環境でのシャーシを金属製机にアースしないと誘導ノイズを拾ってしまう件についてこのコンデンサーが悪影響してるかも?という気がしたのです。

このコンデンサーを撤去した結果、大正解でした。これによって、シャーシを金属製の机にアースしなくても誘導ノイズを拾う事は一切無くなったのです。

同じ様な問題で悩んでいる方、一度このパスコンを外してみると何か発見があるかも?です。