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さて今回、真空管ラジオど素人の私が「Sonora RQU-222」のハム音対策でジタバタする様子を記事にしてみます。

ハム対策の事前準備

対策を始める前に下記の準備で半月位掛かりました。

  1. ネットでハム対策を調べまくる
  2. Sonora RQU-222 の回路図を勉強
  3. テスターの購入
  4. 半田ゴテや、部品の購入

まずはテスターで状況を確認

  1. 100V駆動なので、出力管のプレート電圧は 95V
  2. B電圧が 95Vになるまで 45秒位掛かる
  3. B電圧が 50Vになるまで 30秒位掛かる
  4. B電圧が 30V位からハム無しで音声が聞こえ出す
  5. B電圧が 50V位からハム音が聞こえ出す
  6. 電源 OFF で B電圧が放電するまで 3秒位掛かる
  7. 出力管グリッドアースでハム音が半分に減る
  8. しかしその状態でもハム音は聞こえる

その結果からの判断

つまり、ボリュームゼロだけじゃなくて、出力管の動作停止でもハム音が聞こえると言う事は、明らかにリップルレベルの問題と思う。

ただ…
回路図的には似た様な平滑回路なのに、Radiola-500 は全くハム音が聞こえないのは何故か?

多分、Radiola と比較して Sonora のスピーカーの方が大きく、丁度50Hz〜60Hzのリップル周波数に反応し易い為にハム音が目立つのではないか?と思われた。

リップルを含んだ B電圧が直接 OPTトランスに掛かるのだからハム音はどうしても避けられない原理となり、回路図からすると本来なら、この程度のハム音は RQU-222 の製品として許容範囲なハム音レベルなのかも知れない。

しかし私的には気にくわないので、以下対応して行く事にした。

平滑回路にコンデンサーを追加

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実験としてご覧の様に元々の平滑回路の電解コンデンサーに馬鹿でかい100μF の電解コンデンサーを2発パラに繋いでみました。

大容量の電解コンデンサーは整流管を痛めるらしいのですが、取り敢えずと言う事で…

結果、ハム音はだいぶ小さくなったので…やはり平滑回路の問題だとハム音の原因を特定。

正式実装

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その後、正式な実装として 100μF の電解コンデンサーを最短配線で綺麗に設置。

ハム音はかなり減少したが、しかし静かな放送とか聞いている時にだんだん気になって来て、もっとハム音を減らしたいと思い始める。

ネットや回路図を見て平滑回路と言うものをメチャクチャ勉強をした。

2段リップルフィルターにした

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リップルフィルターという概念を勉強し、実験としてバラックで CR6段フィルターまで作ってやってみた。

流石にハム音は無くなった!
というか原理的にハム音は無くならないのだけど、スピーカーに耳をくっつけても殆ど聞こえなくなった。

その後、CR6段フィルターを1つづつ詰めて行った所、結局 2段フィルターで十分な状態だったので、写真の様に47μFの電解コンデンサー2個と 200Ωの抵抗1個でOKとなった。

結果、電解コンデンサーの容量を大きくすればハムが解決すると言うモノでも無く、それよりもきちんと CRリップルフィルターを配置した方が小さな容量の電解コンでも効果が有る事が判った。

ど素人の私ながら、綺麗な立体機動装置(配線)になりました。

まとめ

ついに、やっと…
Sonora RQU-222 は完璧になりましたっ!

もう、ハム音は一切聞こえません。
感度良く、美しい音質で現在鳴っております。

ふぅ〜
今回、色々と苦労したけど、とっても勉強になりました。
最初は配線いじるの怖かったけど、今では大丈夫になった気がします。

ペーパーコンデンサーの交換以外で、これだけのオリジナリティーを保ち、美しい筐体と完璧な動作を実現するこの Sonora RQU-222 は、世界中探してももう二度と手に入らない個体だと思うので、自分で修理しながら大事に使って行きたいと思います。

では、また〜♡