最終的に写真の様に完全オリジナル状態に戻るのだが、それまでには幾多の悩みが…
根本的な判断ミス
まず、入手後直ぐにワックスを掛けた結果、上の写真の様に白っぽくムラのある状態になってしまったのが事の始まりで、果たして私がワックスを掛けたのが悪かったのか?表層汚れの下は元々こうだったのか?判断が難しい状況になってしまった。
白っぽいムラをちょっと見で観察すると、ワックスを強く掛け過ぎた事による縮緬塗装の色落ちだと思えたので、昨日のブログに書いた様に「靴墨」で補修する事にしたのだった。
結果こんな感じに仕上がって私的にはほぼ満足していたのだけど、時間が経つに連れオリジナル色と違ってしまっている事が何となく気に食わなくなって来た。
そんな時、果たしてあの白いムラはいったい何だったのか?そもそもの原因を考えてみた。
- 私が強く掛けたワックスで弱っていた縮緬塗装が色落ちした
- ワックスの成分が縮緬塗装の隙間に詰まり白いまま固まった
- 元々の汚れの下は白く細かい塵が縮緬塗装の隙間に詰まっていた
しかし今改めて観察すると、縮緬塗装の状態は十分に凹凸が付いているので上記 1.の原因は考え難い。
ならば、1.以外が原因となるのだが、「靴墨」を塗ってしまった今それを検証する事が出来ない。
検証する為今更「靴墨」を落とすのも面倒だし…
と考えて 30分、超!こだわり屋の私としては「悩んでいるより実行あるのみ」と結論を出し、例え失敗したとしても「靴墨」を落としてみる事に決断した。
マジックリンで落とす
上蓋だけを取り外し「靴墨」を落とすべく台所で作業を開始した。
まずは、ママレモンを掛けて軽く擦ってみたけど「靴墨」が落ちる気配は全く無し。
もう少し強力な洗剤はないか?探すと「マジックリン」というのを発見。
しかし見るからに強力そうで、「靴墨」どころか縮緬塗装まで禿げてしまわないか心配になる。
でも今更後戻りは出来ない、「マジックリン」を原液のままガッツリ掛けまくる。
ヌルヌルする。
ヤバっ!このヌルヌル感は、もしかして縮緬塗装がやられたか?と一瞬焦った。
次の瞬間「靴墨」がガンガン落ちて行く。縮緬塗装の状況はこの時点では不明。
水道水で流すだけで「靴墨」はすっかり落ちてしまって、しかし縮緬塗装は大丈夫そう。
その後水道水で十分に洗剤を洗い流して、タオルで水気を拭き取り…
その後、十分に乾燥する前に、塗装を保護する為にワックスを掛けた。
結果は…大成功!
(スピーカー開口部の部分的な色ハゲは元々あったものです)
これだっ!
「靴墨」が綺麗に落ちて、同時に「白いムラ」も無くなってしまった。
一体「白いムラ」は何だったのか?
多分今思うと…
70年の長い歴史の中で小さな塵や埃が縮緬塗装の隙間に詰まったもので、最初に私がワックスを掛けて表層の汚れを落としてしまった為に、表層下の「白い埃」が見える様になったのではないかと。
そしてその後私が「靴墨」を塗りこんだ時、「靴墨」が「白い塵」を吸着しつつ着色され…
その後「マジックリン」を使って「靴墨」を落とした時、一緒に「白い塵」も流れ落ちてしまったのではないかと。
「靴墨」のまま我慢しないで、行動に移して良かったと思える瞬間です!
塗装は完全にオリジナル状態に戻って、とっても綺麗な状態が蘇りました。
塗装に痛みは無く、まるで新品の様な上蓋になってしまいました。
完璧ですっ!
しかし、マジックリンは危険かも…
その後ネットで「マジックリン」を調べたら、結構危険だった事が判った。
マジックリンはそれなりに強いアルカリ性の洗剤で、強力に油分を落とす能力を持つ反面、弱っている塗装面を痛め、最悪は塗装を剥離してしまう事もあるらしい。
ギョエ〜!!
危ない、アブナイ!
じゃ、私の場合も実は塗装が傷んだり剥離してるんじゃないか?と心配になり、丸一日後上蓋を詳細に点検してみたが特に異常は無く、縮緬塗装が弱っているなんて事も無さそうだった。
改めて今、反省してみると…
- 靴墨の油分が縮緬塗装を守ってくれた
- マジックリン洗浄が 1分位の短時間だったので塗装を痛めるまで至らなかった
- 水洗い後、完全に乾燥する前にワックスを掛けたので、マジックリンの残影響を弱めた
な〜んて良く判らないけど、自分の都合の良い様に解釈してみた。
という事で、70年も昔の弱った塗装にマジックリンは非常に危険だった事を反省し、レトロラジオを弄る私としてはもう二度とマジックリンは使うまいと心に決めたのであった。
まとめ
今回の拘りキチガイ行動は、結果的に上手く行って超ラッキーだったと思います。
最悪は、上蓋の塗装が剥がれてボロボロになってしまう事も覚悟していましたから。
やっぱ、完全オリジナル色が最高ですっ!
では、また〜♡