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「Simonetta」はオールバンドラジオなので当然 FM放送も受信出来る訳だけど、ドイツと日本の FM周波数違いの為「Simonetta」が正常に FM放送を受信出来るのか?を今まで試す機会が無かった。

FMトランスミッターを購入した

ネットで調べると FMトランスミッターというのは多くのメーカーから多種売られていてお値段も安い様なので、私は写真の様な FMトランスミッターを 1,200円位で購入してみた。

88.0MHz〜104.0MHzまで 9chの周波数が選べるらしいので外国のFM周波数のラジオでも使えそうだ。ちなみに「Simonetta」の受信可能な FM周波数は、87MHz〜104MHzだ。

「Simonetta」の FM受信が機能してない事が発覚

FMトランスミッターが届いたので早速試してみたら…

「Simonetta」で FMが全く受信出来ない事が判った。

別な FMラジオで確かめてみたら FMトランスミッターは正常に動作し電波を送出している事は間違いない。つまり、「Simonetta」の FM受信が正常に動作していないのだ。トホホ…

FM以外の中波や短波は正常に動作しているだけに、とっても残念な気持ちになった。

裏蓋を外して軽く調べてみた

この「Simonetta」は私の気持ち的に「完成」していて今更筐体からシャーシを引き出したくない気持ちがあったので、筐体の裏蓋だけを外して軽く調べて見る事にした。

  1. FMフロントエンドはユニット化されていてアルミケースに覆われている
  2. つまりユニット内部はテスターやオシロで調べるが難しそう
  3. 真空管は「ECC85」、国産で言うと「6AQ8」だが、外から見るとヒーターは点灯している
  4. ユニットへの供給 B電圧を測ってみると正しく供給されているようだ
  5. オシロで調べると、どうもユニット出力から信号が出ていない様な気が…

Radiomuseum.org から回路図をゲット

回路図が無いとどうにもならないので「Simonetta」の回路図をネットで探しまくったけど全く見つからず、唯一「Radiomuseum.org」にだけ存在している事が判った。

但し、そのサイトでは回路図の一部分しか見る事は出来ず、全体を見るには自分のメールアドレスを通知してそこに送ってもらう必要がある様だ。

私的にはどうしても回路図が欲しかったので、メアドを登録する事による迷惑メールも覚悟して登録手続きをした。

手続き完了後、無事に「Simonetta」の全回路図を入手する事が出来た。

FMフロントエンドの回路

今までアメリカや国産ラジオの回路図に慣れた私にとってドイツ産ラジオの回路図は超!難しい。

オールバンドラジオという事もあるけど、いや、それ以外に明らかに部品点数が多い。至る所に細かなコンデンサーや抵抗があって、より正確に真空管の動作点や入出力インピーダンスを設定しているというか、音質やノイズを気にしてるというか、ど素人の私には良く判らないけど何となくコストが掛かっている印象を受ける。

ドイツ製ラジオって、もしかしたら次元が違うのかも…

そんなこんな時間を掛けてじっくり回路図を見ているうちに何となく判って来て、FMフロントエンドって高周波増幅と局発&ミキサーで結果 10.7MHzの中間周波数を出力するらしい事を理解した。

しかし、中波や短波が正常に受信出来るラジオ全体の経年劣化から推測して、FMフロントエンドの回路図を見る限り劣化でダメになる素材が見当たらない。

  1. とにかく FMフロントエンドが全く動作していない様に思える
  2. 空電ノイズさえ受信しないので、感度が低いとかの問題ではない
  3. FMアンテナ端子に金属を擦り付けてもガリノイズ等の反応が全く無い
  4. コンデンサー劣化が原因とは考え難い
  5. ましてや、μ同調機構やコイル等の劣化が原因とも思えない
  6. B電圧はユニット前までちゃんと来ている
  7. 但しそこから真空管プレートに接続する抵抗器の値が怪しい?
  8. 一番怪しいのは ECC85(6AQ8)真空管自体が不良になっている?
  9. つまり、10.7MHzに変換すべき局発自体が発振してないのでは?

FMフロントエンドのユニットを分解しない限り、現状ではこの位しか想定出来ない。

まとめ

仕方が無いので、まずは一番疑わしい「6AQ8」を入手して交換してみる事にした。

それが検討違いだったら、ユニットを分解しないまでも筐体からシャーシを引き出し、オシロやテスターを総動員して当たれる所を片っ端から調べてみようと思います。

では、また〜♡