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前回、ドイツ製真空管ラジオの「Simonetta」を入手してからすっかりドイツ製ラジオにハマってしまい、今回も1960年ドイツ製レトロ真空管ラジオ LOEWE OPTA Bella Luxus type-179W をヤフオクで落札してしまいました。

通電確認出来ないのでジャンク扱いとの事

ヤフオクでの説明ではこの様に書いてあったのですが、何となく内部を弄ってないオリジナル状態のままの様な気がしたので、私に直せるか判りませんでしたが思い切って落札しました。

ネットで仕様を調べたら、このラジオは「FM」は無く、「中波」と「短波」のみですが、その短波が 3バンド用意してあり…

  1. 1Mc 〜 5Mc
  2. 5Mc 〜 13Mc
  3. 13Mc 〜 23Mc

が受信出来る様で、「Simonetta」で不足していた短波バンドを拡張出来るので嬉しいです。

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面白そうなのは、チューニングダイヤルを引っ張った状態で回すと「メインチューニング」となり、ダイヤルを押し込んだ状態で回すと「スプレッドチューニング」となり周波数ポインターは個別に動き、まるで「HAM」や「BCL」ラジオみたいです。

短波はチューニングがクリチカルになるので「スプレッドチューニング」が付いているととても助かるし、しかし、アマチュア無線をやる訳ではないので大げさな「スプレッドチューニング」は不要で、この程度の何気に付いている「スプレッドチューニング」が渋くてかっちょいい。

まっ、どうせジャンクなので、その特殊なダイヤル周りは正常に動かないだろうし、無事に通電出来たとしても短波はろくに聞こえないであろう事は覚悟して落札しました。

落札を強引に踏み切った理由は、如何にもドイツのラジオらしいデザインの「LOEWE OPTA」真空管ラジオを一度は手に入れてみたかったからです。

見た目は思ったよりも綺麗

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落札した「LOEWE OPTA」真空管ラジオが早速届きました。

いつもの私の儀式で綺麗に掃除してから写真を撮りましたが、ご覧の通り思ったよりも全体的に綺麗な状態です。

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木製キャビネットも再塗装とか無くオリジナルのままで綺麗な状態だし、前面のプラスチック部分もワレも無くツヤがあります。

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裏蓋も大きな破損も無く綺麗で、電源コードも痛んでいません。

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底面です。蓋を外せばシャーシ内部にそのままアクセス出来ます。

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ご覧の様に底面の蓋を外すだけで、簡単なメンテナンス位は出来そうです。

いよいよシャーシを取り出してみると

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正面です。

短波帯 SW1、SW2、SW3 の充実ぶりが嬉しいです。

まずはワックスで綺麗に磨きました。

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時代による汚れや錆びはありますが、ワックスで掃除したらそれなりに綺麗になり、私的には十分にOKの感じです。

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シャーシ裏です。

ご覧の通り誰も弄っていない完全にオリジナル状態です。

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これが「バンドスプレッド」用の「μ同調」機構です。

よく見ると、フェライトコアを動かすダイヤル糸がかなり傷んでいて所々細くなって今にも切れそうになっています。(糸がどこかに当たっている様子もないのに変だな…)

メインダイヤルのダイヤル糸は綺麗で全く傷んでいない状態なのに、何故ここの糸だけが傷んでいるのか?謎ですが、まっ安全の為当分スプレッドダイヤルは使わない事にして、今度ダイヤル糸を入手した時に糸を張り替えようと思います。

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オリジナルで付いていた「LOEWEフルレンジ楕円スピーカー」はご覧の様に虫食いがあって少し残念。

しかし、今までの経験からこの程度の虫食いならコーン紙を下手に修理しないでこのまま使っても音質にはさほど影響は無いので、綺麗に掃除してこのまま使用する事にした。

私みたいなど素人が下手にコーン紙を和紙やボンドで修理して仕上がり具合を悩むより、例え虫食い状態であっても「全く手を加えていないオリジナル状態」で温存しておきたい。

通電しない原因を調べて見る

ドイツ製ラジオの多くは前面の「ピアノスイッチ」押下によって電源が入る仕組みなのでこの辺をテスターで調べてみた。

結果案の定、ピアノスイッチを押しても電源スイッチがオンにならない。というかピアノスイッチを押下してもそのまま保持されず直ぐに戻ってしまう。つまり、ピアノスイッチの機構自体が壊れているし、それと連動する電源スイッチ自体も壊れているという感じだ。

ドイツ製ラジオの場合、ピアノスイッチが壊れるともうアウトで、それ自体を修理する事はほぼ不可能ではないかと思われる。

がっかりしながらピアノスイッチを弄っていたら、「OFF」ボタンを同時押しする事でピアノスイッチが押下を保持出来る事を発見したので、取り敢えずその方法でピアノスイッチを操作する事にした。

取り敢えず、壊れていると思われる電源スイッチを経由せず直接接続で電源ON状態としてみる。

そして、一か八かコンセントを差し込んでみた。

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なっ、なんと!

あっけなく電源が入って、パイロットランプが点灯、徐々に真空管のヒーターが赤くなって来る。

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いやはや、全く問題無くラジオが鳴り出した。

  1. トーンコントロールに若干のガリオーム有り
  2. ボリュームにガリオーム無し
  3. 驚くべき事にハム音が全く無し
  4. ピアノスイッチによるバンド切り替えが全バンドOK
  5. 「中波」及び「3バンド短波」すべて正常に感度良く受信出来る
  6. メインダイヤル、スプレッドダイヤル機構全て正常動作
  7. マジックアイも明るく点灯

ラジオを聴きながらピアノスイッチを弄っているうちに何時の間にかピアノスイッチが正常に動作するようになり、連動する電源スイッチも正常に ON/OFF する様になった。

結局何処も壊れていなかったというオチで御座いました。

まとめ

現在、「SONY AN-61」という簡単な巻き取り式室内ワイヤーアンテナを接続しただけですが、ラジオ本体の基本性能が良いのか結構高感度で短波放送が受信出来ます。

やはり、スプレッドチューニング機構が素晴らしく、この機構と3バンド短波受信能力だけでもこのラジオの価値は十二分に有りです。

久しぶりに BCLの真似事なんかやってみたりして、普段は短波など絶対に聞かない私がそんな事やってるなんて実に不思議な現象です。

う〜ん、全体的なヤレ具合と性能の良さで、この「LOEWE OPTA」も当分手放せないラジオになりそうです。

じゃ、またね〜♡