h130_Cir

素人の私には「WestingHouse H-130」のプッシュプル出力回路の動作がイマイチ不明だったので色々調べてみた。

ヤフー知恵袋

今回初めて「ヤフー知恵袋」というやつを使って質問してみたら…

やっぱこの回路は「差動プッシュプル回路」に間違いないという回答を得、また、6SC7 の G2 を固定にすると、反対側のプレート電圧の逆位相が得られる… という事まで教えて頂いてとても勉強になりました。

回答して頂いた方に感謝ですっ!

ミュラード型差動増幅

その後色々調べたら…

6SC7 の様なカソード共通の真空管の場合、ミュラード型差動増幅という形式を使う事が多い事を知る。

ミュラード型は前記の様に片方のグリッドを固定する事で反対側のプレートと逆位相の電圧を得ると言うものでまんま当てはまります。

そしてその際、逆相側は正相側に比べて少しゲインが大きくなる性質がある様で、その為に P1 と P2 のゲインを合わせる為に各々のプレート抵抗値が220KΩ と 180KΩ に異なっている事も納得出来ました。

差動増幅プッシュプル増幅

という事で、H-130 の出力段は間違いなく「差動増幅プッシュプル回路」だと言う事が理解出来ました。

逆にそれが解ると気になるのが厳密な筈の 25L6GT のグリッド抵抗値です。

この抵抗で2本の 25L6GT 差動増幅ゲインを補正しているのだと思いますが、私の測定値では…

  1. 回路図上側の 25L6GT グリッド抵抗が 270KΩ -> 360KΩ
  2. 回路図下側の 25L6GT グリッド抵抗が 330KΩ -> 390KΩ

に経年変化で抵抗値が増加しています。

特に 270KΩ が 360KΩに増加しているのは 10% の許容範囲を超えているので、いささか気になります。

この際だから差動増幅回路近辺の抵抗を全て正しい抵抗値に交換しようと思い、たった今、アメリカPRP社の誤差1%ハイエンドオーディオ用金属皮膜抵抗と、先日絶縁不良で撤去したままの 300pF マイカコンデンサーを600V耐圧ディップシルバーマイカで注文したので、到着したら早速交換しようと思います。

プッシュプル出力管の劣化によるバラツキは球の交換で簡単に解決出来ますが、回路の抵抗値とかは滅多に交換出来ませんから、このチャンスに回路設計通りの値にしておきたいという気持ちから今回一気にやります。

なんたって H-130 はラジオというより、オーディオアンプ?ですから…
部品にも拘りましたっ!

差動増幅回路の全抵抗を交換

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コレですっ!

オリジナルのカーボン抵抗の足が短く高密度配線されていた為外すの苦労しましたが、なんとか無事に金属皮膜抵抗に交換する事が出来ました。

抵抗のリード線に被っているエンパイアは、70年前のNOSビンテージ単線の被覆をわざわざ切り出して使った拘りのモノで、時代と共に良い感じに風化して行く筈です。

抵抗値は回路図通りぴったりの値なので、これで差動増幅回路も気持ち良く動いてくれる筈だし、経年変化の少ない金属皮膜抵抗なので私が生きているうちはもう二度と交換する機会は訪れないと思います。

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まるで自動車のエンジン部分みたいですね…

まとめ

いや〜、色々勉強になりました。

今まで穴が開くほど回路図を見ても、この差動増幅の回路が理解出来なかったですが、「6SC7GT の片側グリッドを固定する事で反対側プレート電圧の逆位相が得られる…」という一言で全てが一気に理解出来た気がします。

あ〜これで… スッキリしましたっ!

では、また〜♡