これだっ!!

届いた箱を開けると… そこには、夢にまで見た Western Electricのアンプが…

1960年代製造なので流石に 60年前のビンテージアンプらしくキズもあればホコリもある。

私は今、環境が無い自宅にいてコイツを鳴らせないので、まずはワックスでも掛けようっかな。

外観

この KS-16608-L1は、幅400㎜×高195㎜×奥行200㎜で重量は 8Kgとなり、Mcintosh MC30と比べると半分位の重さしか無く、比較的扱い易い感じだ。

灰色塗装の筐体には所々キズがあるが、特に気になるサビ等は見当たらず、塗装に艶さえある。

特に私が気に入っているのはこの灰色の「塗装」だ。

製造から 60年も経っているのに、塗装の下にサビが潜っておらず、また塗装の剥がれも無い。

Mcintoshのピカピカメッキシャーシは経年のサビでメッキが剥がれ非常に残念な思いになるが、このウエスタンの塗装はキズやサビがあっても良い感じのヤレ具合で収まり、私が何時も憧れているビンテージの風合いを存分に味わう事が出来る。

この侘び寂びの感じは、新品の綺麗なアンプでは絶対に味わえないのだ。

この頑丈な灰色のシャーシに付いているキズやクスミがウエスタンの凄みを倍増させてくれる。

シャーシ上

この KS-16608-L1は、前段 12AU7x2、出力段 6L6GCx2のプッシュプルの 12W出力となり、私の様な小音量派の人間にも丁度良いワット数で、万一の時にも大事なビンテージスピーカーを吹っ飛ばす心配も無い。

ご覧の様にシャーシ上はとても綺麗な状態を保っており、電解コンデンサーもオリジナルのままだ。

整流は 5U4GBという両波整流管が使われている。

驚きはこのトランス達で、60年も経過してるのに、サビもキズも無く、ご覧の通りピカピカだ。

また、このアンプのトランス達はカバー無しのむき出しトランスで、私の好みなのだ。

プッシュプル出力トランスも 4点締めでピッカピカだよ〜ん。

ブロックコンデンサーは 2個とも「SPRAGUE」が使われている。

シャーシ裏

おおおおっ!

なんとっ!完全オリジナル状態で、未だ一切の改造もリキャップも行われていない。

コンデンサーは全て SPRAGUEのブラックビューティーが使われている。

そして何と言っても素晴らしいのがこの配線だ。

一見すると高周波回路の様な比較的最短配線で、見た目はカオスな感じだが…

直角配線を無視した、この引き回し方が実に美しい。

私的にはこういう配線がイザと言う時メンテナンスし易い。

ちなみに高級無線機のコリンズもこの様な配線だった。

混み入ったコリンズの配線を弄っていた私にとって、このウエスタンの配線は余裕で弄れそう。

もし今後部品を交換する事があるなら、部品を根本から外して交換するのでは無く、上図の様に古い部品の足を利用して新しい部品を取り付ける… という方法で部品交換したいと思う。

なぜなら部品を根本から外す場合、真空管ソケット端子やラグ板端子を半田ゴテで加熱するので、ビンテージパーツに熱によるストレスが掛からない様にする為だ。

とにかく、オリジナルの半田付けさえ「保全」して置きたいと思うから。

う〜ん、半田付けも美しく、ホレボレする…

また、このビンテージな線材が素晴らしいのだ。

コイツは 1960年代の製造なので、布被覆線材だけではなく、一部ビニール線材も使われている。

電源整流回路にチョークトランスは使われておらず、抵抗負荷となっている。

全てがオリジナル状態なのだが、上記写真の電源ラグ付近の配線が少し弄られている様なので、ここは今度環境がある実家に行った時に修正しようと思う。

  1. AC100Vラインは U型端子でラグに接続したい
  2. 電源トランス一次側線は延長せずラグの右側に半田付けしたい

まとめ

今は環境が無くてコイツを鳴らす事が出来ないので、まずは見てくれ記事を書いてみました。

結果、この KS-16608-L1は、オリジナル状態のままで、かなり程度の良い素晴らしい個体でした。

こんな個体が存在していたとは、正に奇跡の様です。

ヤフオクでの商品説明では「鳴っている」動作品との事なので大きな心配はしていませんが…

あとは、実際に鳴らした時に「トランスの唸り」さえ無ければ、あとは何とかなると思っています。

今日は届いてからあまり時間が無かったので、明日もう一度ゆっくり眺めたいと思います。

それでは、また〜♡