先日アンプのリキャップを行なっていた時、少し違和感のある配線を発見した。
それは 6L6GBのカソードから電源トランスのヒーター巻線のセンターへの結線だ。
回路図を見ると確かにその結線はあって、また、その結線部分には「選択肢」の様なマークが。
ヒーターバイアス回路
ネットで公開されている当アンプの回路図にはこの配線は見当たらないし、なんで私のだけ?なんて思いつつこの件はペンディング状態にしていたのだが…
そしたら昨夜当ブログの読者様から明確な答えを教えて頂いたのです。
それは「ヒーターバイアス」というもので、何らかの方法でプラス電位をヒーター巻線のセンターに与えフィラメント電位をプラスに保つという考え方で、当アンプの場合はその何らかの方法をカソードのプラス電位を利用したものなのだ。
通常自己バイアスのカソード電位は数十ボルトのプラス電位な訳だが、対してフィラメント電位はフローティングかアース電位になっているのでカソードから見ればマイナス電位となり、僅かながらフィラメントからカソードに向かってノイズとなる電子が流れ得る状態が発生する。
よって、カソードのプラス電位をフィラメント巻線のセンターへ電位オフセットとして与える事でカソード電位よりフィラメント電位の方がプラス状態となりノイズとなり得る電子の流れを抑制出来るという仕組みなのだ。
なるほど… それで回路図にはフィラメント巻線のセンターをアースと接続するか、または出力管のカソードに接続するかの選択肢が示されていた訳で、私のアンプはカソード接続を選択されていたという事が判ったのです。
まとめ
ふぅ〜、原理が判ってスッキリです。
的確な説明を頂いた読者様に感謝です、マジで勉強になりました。
こうやって回路への理解が進むと、より自分のマシンへの愛着も深くなりますね。
それでは、また〜♡
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