これだっ!

私は絶対にオーディオマニアじゃない!って言ってるのに…

ESI エレシステム工業のモノラル 1276/205Fシングルアンプを手に入れてしまった。

入手経緯

現在私はラジオが弄れない自宅に居ていささか欲求不満。

そんな私はヤフオクでオーディオアンプばっかり見てる。

アンプはとても高価で私なんぞには当分手に入らないものと諦めているのだけど…

今回偶々「モノラルアンプ」を重点的に眺めてしまった。

「モノラルアンプ」は「ステレオアンプ」に比べメッチャ高価。

部品点数約半分なのに、なんでやねん!

そんな折、以前からいつも出品されている1台のアンプに目が止まった。

だいぶ前から出品されている様だが、人気が無いのかずっと落札されずにいたアンプだ。

ちょっと気になったので色々と調べて見た。

  1. 拘りの ESI エレシステム工業製モノラル シングル直熱三極管アンプ
  2. B電圧生成に敢えて整流管を使用している
  3. 出力管フィラメントは直流点火してハムバランサーも搭載している
  4. Sylvania 1276 と WE205F が切り替えられる
  5. WE205Fは WE300Bより音が良いという噂が…
  6. WE205Fはシングルで 0.6ワットの出力が取れる
  7. Sylvania 1276はシングルで 3.5ワットの出力が取れる
  8. Sylvania 1276は 2〜3万円、WE205Fは 5〜6万円する
  9. 全て手配線で一切基板は使っていない

等々、調べれば調べる程欲しくなって来てしまった。

こんなに良いアンプで値段も手頃なのに何故落札されないのか?

考えるに、完全モノラル派の人は少ないので、この1台のみの出品が人気が出ない理由かと。

そう思うと、完全モノラル派の私に落札してくれって言われている様な気がして…

金も無いのに、私にとっては十分に高価なこのアンプを落札してしまった。

アンプが到着

まずはいつもの通りワックスを掛けて撮影しました。

結構昔に作られたアンプの筈ですが、ご覧の通りメッチャ綺麗でまるで新品の様です。

どなたかが ESIエレシステム工業に特注で制作を依頼したものか、または昔の ESIがオリジナルで作ったモノなのか、ネットで調べまくっても判らないのだが、使用部品や配置、配線のやり方等、間違いなく ESIが作ったものである事は明らかだ。

後日判明:このアンプはある方が 2011年頃 ESIエレシステム工業に特注で制作を依頼したもので、正真正銘の ESI製である事が確認出来た。

使用真空管は…

  1. Sylvania 1276
  2. Siemens EF86
  3. Philips 6189W
  4. JJ EZ81(6CA4)

モノラルシングルアンプなので、結構コンパクトで思ったよりも重くない。

サイズは横:30cm、奥:16cm、高:13cm なので…

狭い私の机の上に置いても違和感が無い大きさだ。

まずは外観

出力トランスは「TANGO U-608」を使っている所が可愛らしい。

全てが新品の様な美しさなのだが、この出力トランスのみ若干サビが浮いてきている模様。

しっかりワックス掛けしたのでこれ以上サビが進行する事は無い筈だ。

古いアンプなのでこの程度はご愛嬌、レトロ好きな私としては全然気にならない。

後日判明:出力トランス「TANGO U-608」は ESI社長の拘りのオススメ品で、例え中古であっても敢えて採用したと言う事です。これを聞いてこの「U-608」により愛着が湧いた。

コネクタやスイッチ類もピカピカだ。

スピーカー端子の右側にあるボリュームは、フィラメントのハムバランサーだ。

今は未だ綺麗過ぎて繊細な感じだけど、これから使い込む事で生まれる経年変化によるキズや色ハゲの錆をワックスで磨き上げた時に得られるビンテージな風合いになるのが楽しみだ。

綺麗な底板とゴム足で底部も完璧だ。

出力トランス「TANGO U-608」は上部に端子が付いていて目立つので、配線の引き回しや半田付けの綺麗さが気になってしまうが、コイツはご覧の通り芸術的に美しい配線の引き回しになっている。

端子への半田付けも綺麗で、半田にうるさい私でも感心するばかり。

そしてこれがシャーシ内部だ。

ESI エレシステム工業の熟練したプロの手作業による配線と半田付けが、超!美しい。

基板が嫌いな私としては、こういうのが欲しかった!

入手時に回路図や取説等は一切付いていなかったので、目視で軽く回路を追ってみると…

  1. 1276/502Fは自己バイアスによる動作
  2. 1276と502Fの選択スイッチは B電圧と出力トランスの負荷抵抗を切り替え
  3. 1276/502Fのフィラメントは直流点火でボリュームによるハムバランサー付き

という事が判った。

まとめ

出力管のソケットには「山本音響工芸製 205用ソケット」を、スピーカー端子は米国マッキントッシュのアンプにも採用されているクラシカルな雰囲気の「シンチ」製ネジ式タイプを採用、細かな所にもかなり拘りを感じます。

コイツは「Sylvania 1276」付きで、将来「Western Electric 205F」に差し替えて楽しむ事も出来るので、小音量派の私にはもってこいのアンプです。

普段使いは孤狸工房の 0.1W「Soleil Mini 396A」アンプを、も少しパワーが欲しい時にはこの「Sylvania-1276/ WE-205F」アンプをと、贅沢に使い分けようと思います。

今度ラジオを弄れる環境がある実家に行くまでは、このアンプの動作確認はおあずけ。

果たしてどんな音を聴かせてくれるのか?楽しみです。

追伸:このアンプの情報をご存知じの方、ぜひ仔細教えて下さい。

では、また〜♡