私のブログの読者の方から、入手されたアメリカ真空管ラジオ「Atone-300」のお掃除を依頼されましたので、作業報告の意味も込めて作業内容を記事として掲載致します。

シャーシ裏

昔のオーナーの手によって古いペーパーコンデンサーは全て現代のポリプロピレンコンデンサーにリキャップされている事を確認しました。

半田付けも綺麗なので手慣れた方が作業を行われた様であり、今後安心して使えそうです。

劣化してると思われる部品も無く全体的に綺麗な状態で保存されていた様に見受けられます。

電源平滑回路の古い電解コンデンサーも現代の新しいモノに交換済みである事を確認しました。

リキャップの部品から想像すると、このリキャップ作業はアメリカで行われた様に思われます。

電解コンデンサーの容量や配線方法も適切な様で、目立ったハム音は聞こえない事を確認しました。

以上 3枚の写真はリキャップ作業によりシャーシ裏に半田が落ちていたりシャーシが汚れているので、まずここを掃除します。

手の入る所までですが、ワックスを掛けて出来る限り綺麗にしました。

シャーシに落ちている半田の玉も綺麗に取り去りました。

これでシャーシの裏は綺麗になり、チリやホコリも一切無い状態になりました。

シャーシ裏の配線は当時のオリジナルの雰囲気そのままで、とっても良い感じです。

シャーシ上

上記写真の左半分がオリジナルの汚れで、右半分が私がワックスを掛けた状態です。

私のワックス掛けはシャーシの汚れやサビを完全に落としてしまう事はせず、時代の雰囲気を温存した状態のワックス掛けになりますので、上記の写真の様な雰囲気となります。

紙やすり等をつかって綺麗にサビまで落としてしまうのはシャーシにダメージを与え、やり過ぎだと思うので私はやりません。

オリジナルの汚れは脂分とタバコのヤニを含んだ汚れですので、簡単には落ちません。

部分的に何回もワックスを掛けながら、少しづつ進んで行きます。

ちなみにスピーカーは貴重な「励磁:フィールドスピーカー」ですね。

スピーカー周りもワックスを掛けて綺麗に。

バリコンや IFTトランス付近のシャーシもだいぶ綺麗になって来ました。

当然、バリコンや IFTトランスもワックスを掛けます。

ふむふむ、良い感じになって来ました。

こんな感じで出来上がりです。

バリコン側から仕上げの再確認です。

スピーカー側から仕上げの再確認です。

OKですね〜!

真空管もワックスで掃除して、元あった場所に差し込みます。

真空管が綺麗になると、一気に愛着が増します。

スピーカー側から見ても良し。

バリコン側から見ても良し。

最初の汚れた状態からは雲泥の差で綺麗になりました。

正面も綺麗にお掃除。

ダイヤル周りを綺麗にすると全体が引き締まります。

レトロな雰囲気満点の電源プラグも忘れずにワックスアップ。

ベークライトのキャビネット

最初はこんな感じで結構汚れています。

この汚れもタバコのヤニと油の汚れですのでなかなか落ちません。

当然掃除機で吸い取っても取れません。

よって、ワックスで何回も磨きながら徐々に汚れを落として行きます。

外側も一見綺麗そうに見えますが実は汚れていてツヤが無くなっています。

ダイヤル窓は時代によって細かなキズが入っていて透明感が少なくなっているので、プラスチッククリーナーで磨き上げ様と思います。

出来上がりは、これだっ!

磨き上げにだいぶ時間が掛かってしまったけど、頑張った分上記の様にとっても綺麗になりました。

ダイヤル窓もプラスチッククリーナーで磨き上げ、かなり透明感溢れる綺麗な状態になりました。

もちろん凄く細かなキズは少し残ってますが、そこまで落とすとやり過ぎとなって逆にプラスチックを傷めてしまうのでこの程度で手打ちとするのが良いと思います。

シャーシをキャビネットに収め、ループアンテナ板にもワックスしました。

最後に裏板を取り付け、裏板にも軽くワックスを掛けました。

出来上がりです。

これで内外共にチリ一つ無い綺麗な状態になりました。

確認の為、電源を入れちゃんと放送が受信できる事を確認しました。

依頼者の方からは、もしかしたら音声出力が弱いのではないか?という心配をされていましたが、私が確認した所決してその様な事は無く、私が所有しているラジオの音声出力と同程度なのでこの件は問題無いかと思います。

まとめ

以上、作業報告の意味でブログ記事にさせて頂きました。

最終確認を行い、明日にでも返送しようと思います。

それでは、また〜♡