やりましたっ! 「WestingHouse H-130」整備完了です。
ダイヤル針の修正
これが入手した時の状態。
画面上中央の赤いダイヤル針が向こう側に半分に折れ曲げてありました。
修正後。
これが正しい状態だと思われる。
針の先端カーブを立て過ぎるとシャーシを引き出す時に必ず筐体に引っかかってその度に針が曲がってしまう(実際に何回も曲げてしまった)。
写真の曲がり具合だとダイヤルパネルから少し距離が離れてしまうけどギリギリ筐体に引っかからず丁度良い具合になる感じだ。(しかしこれでもシャーシを引き出す時には超!注意する必要がある)
ダイヤル糸の掛け違い
これが入手した時の状態。
修正後。
これが正しい糸の掛け方。
オーディオ入力に切り替えると爆ハム音
オーディオ入力状態に切り替えても、受信部回路への B電圧供給をカットしない様にした。
結果、オーディオ入力状態にしても爆ハム音は一切無くなった。
ついでに未交換だったペーパーコンデンサーを高級品のメタライズドポリプロピレンフィルムコンデンサーに交換した。
配線やハンダが汚かった所を綺麗に修正した
一度部品を外し、部品を整列しながらハンダ付けのし直しを行った。
ついでに、若干のハム音も無しにする
元々気にならない程度のハム音(無音時スピーカーに耳を近づけると少し聞こえる程度)だったけど、ついでだから気休めにリップルフィルターを1段追加してみた。
結果、完璧でしたっ!
若干のハム音も完全に消え去り、スピーカーに耳を近づけてもハム音は殆ど聞こえません。
こいつは嬉しい。大成功ですっ!
時々、バキバキっという爆音ノイズが入る
ちなみに…
出力管 25L6GT のグリッドをアースするとノイズは止まるので25L6GT は問題無く、前段の音声増幅管 6SC7GT が劣化していると思われたが、6SC7GT を入手後交換してみたら見当違い。
やっぱ、25L6GT 2本のうちどちらかが怪しいという事になり、一応25L6GT はヤフオクで落札したのだけど、到着まで色々調べてみた。
爆音ノイズの原因を追求
- 2本の 25L6GT を入れ替えてみて状況を見たが、変化無し。
- 25L6GT の片方のグリッドだけをアースしてみて調べてみると…
- ん?どうやらどちらかの 25L6GTが駄目という訳でもなさそう。
- では、25L6GT は2本とも壊れていないと仮定して調べを進める。
- 6SC7GT、25L6GT 周りの抵抗を全部調べたが異常無し。
- それらの各所電圧を調べたが特に異常は無し。
- ん〜、別に問題無いじゃん!
さらに根気良く調べて行くと、6SC7GT の P1 電圧がノイズと共に変動する事を発見。
- P1 に接続されている抵抗を再検査したけど正常。
- P1 に接続されている高周波バイパスコンデンサーの 300pF を調べてみると…
- んんん?抵抗値があって値がふらついている。
- げっ、原因はこれかぁ〜!!!
- P1 は低周波増幅の出力だから、これじゃ爆音ノイズが出るのも当たり前。
- また、P1 には プレート電圧が掛かっているから…
- この 300pF が絶縁不良になると整流管を痛めたり、危険ですらある。
- 万一抵抗値ゼロにでもなったら、B電圧ショートとなり一巻の終わりである。
爆音ノイズ解決っ!
300pF を撤去しP1 電圧を測ってみると安定してるので放送を受信してみると…
爆音ノイズが無くなりクリアーに放送が受信できている。
やった〜!!!
爆音ノイズの原因は真空管の劣化じゃなくて、300pF マイカコンデンサーの絶縁不良!
今まで古いラジオのマイカコンデンサーはリキャップ対象にしてなかったけど、時にはこういう事もあるんですね〜、勉強になりました。
手持ちに 300pF コンデンサーが無かったし、この高周波バイパスコンデンサーが無くても特に問題は無さそうなので、今回は 300pF 撤去という事で完了ですっ!
まとめ
ふぅ〜
今回は前オーナーが交換した大きなコンデンサーの為にスペースが厳しく、いつもの事ながら結構苦労した。(敢えて前オーナーが交換した部品は温存した)
特に部品の整頓と平滑回路周辺の整備は予想以上に手間取った。
しかし今回も特に失敗したと思われる作業も無く、全体的に上手く行ったと思う。
出来上がりのシャーシ裏の配線を眺めて、我ながらうっとり…
あ〜、これでスッキリしたっ!
現在「WestingHouse H-130」は、爆音ノイズもハム音も一切無く、感度良く、静かにクリアーな音質で鳴っています。
結局、入手時に付いていた真空管は全て問題なかった事になりましたので、落札してしまった幾つかの真空管は、保守用としてストックしておきます。
では、また〜♡