これだっ!

1957年ドイツ製レトロ真空管ラジオ「SIEMENTS Super-D7」が届いたっ!

やっぱ、デカイ!!

まずは全体的にワックスを掛けながら各部を点検してゆく事にする。

まずはシャーシ周りを点検

シャーシとキャビネット間の配線が多く、また短いのでシャーシを取り出すのは厄介か?とも思われたが「SABA」同様思ったより簡単にシャーシを取り出す事が出来た。

ただ、シャーシの上部にあるバーアンテナ機構をぶつけて壊さない様に細心の注意を払いながら。

シャーシ裏は思っていたよりもシンプル。

どうやら誰も弄っていない完全なオリジナル状態。

もしかしたら、このまま動いちゃうんじゃない?

と言う思いが頭の中をかすめ、切断されている電源コードの先に ACプラグを取り付けて…

電源ON!!

いつもの様に、運を天に任せて、電源ON!!

一瞬「ブーン」とトランスが唸り、パイロットランプが点いて、直ぐに消えた。

あちゃー! やっぱりダメか…

この様子だと回路の何処かがショートしていてヒューズが飛んだに違いない。

ヒューズを調べてみたら案の定ヒューズが飛んでいた。

ガクッ!

再度一通り全体を確認してみる。

テスターで B電圧回路とヒーター回路を当たってみる。

それなりの抵抗値を示すのでショートはしていない様だ。

じゃ、なぜヒューズが飛んだのか?

  1. 長い間電源入れてなかったので、電解コンデンサーがショート状態
  2. ヒューズ自体が経年劣化している

位しか思い浮かばなかったので、新しいヒューズに交換して…

再度、電源ON!!

ぬおっ!

電源が入ってパイロットランプが点灯、電源落ちない!

煙が出ないか、匂いは無いか、様子をみながら、少し待ってみる…

じゅ、受信ノイズが聞こえ始めたではないかっ!

もしやと思って、チューニングダイヤルを回したら…

AM局がバリバリ聴こえます、このラジオ壊れてないっス!

気になる「ブ〜ンというハム音」も感じられない。

FMはどうかな?

パソコンのネットラジオを「FMトランスミッター」で飛ばし受信してみると…

なんと、FMもバッチリ聴こえます。

薄くはなっているもののマジックアイもご覧の通り、正常動作!

肝心のスピーカーの具合は?

正面の 20cmフルレンジ「6 Ruf lsp 22a」はコーンもエッジも全く痛んでなくてまるで新品の様。

ラジオとは思えない位、信じられない様な低音を響かせて鳴っている。

左側の 10cmコーンツイーター「6 Ruf lst 28a」も綺麗な状態で、ちゃんと鳴っている。

右側の 10cmコーンツイーター「6 Ruf lst 28a」も正常動作を確認した。

正面に付いている 2つの 7.5cm静電ツイーター「LSH75」もバッチリ鳴っている。

レトロラジオでこの手のツイーターは経年劣化で大抵ダメになっている様だが、コイツは全然OK!

小さな口径の静電タイプだが、効果は大きく透明感ある音場空間を演出している。

つまり、5個のスピーカーは全て生きている事が確認出来た。

超!ラッキーだ。

その他メンテナンス

基本的な機能は全てOKである事が確認出来た。

ただ、下記の点に問題があったのでメンテナンスを行った。

  1. FM以外のダイヤル糸が空回りして選局出来ない
  2. FM以外のダイヤル針が 45°傾いてしまっている
  3. 低音の音質調整ボリュームがガリオーム

上記はグリスの塗布や接点クリーナーで完治した。

サランネット右側の 3つの押しボタン

この 3つの押しボタンスイッチの機能がイマイチ判らなかったので、各スピーカー端子にオシロを当てながらボタンを押して調べてみた。

  1. 正面 20cmフルレンジのみ動作(どのスイッチも押さない場合も同様)
  2. 正面 20cmフルレンジ + 左右 10cmツイーターが動作
  3. 正面 20cmフルレンジ + 左右 10cmツイーター + 正面 7.5cm静電ツイーターが動作

という具合だ。

よって私の場合は常に全てのスピーカーを動作させておきたい為、3.のボタンを押す事になる。

ワックスで全体の仕上げ

オリジナルの塗装は全く痛んでおらず、ツヤツヤだ。

いつもの様にドイツ製 WarWick蜜蝋ワックスを塗り込む。

これで木製キャビネットが生き返る。

古い木製キャビネットに水分を与えるのは厳禁だが、蜜蝋ワックスなら大丈夫だ。

裏蓋も綺麗な状態だ。

キャビネット下部にはメンテナンス窓がある。

こんな感じで簡単なチェックや調整を行う事が出来る。

キャビネットの中もワックスを掛けて塵一つ無し、完璧ですっ!

以前に入手した「SABA」にしろ、この「SIEMENS」にしろ、こんな綺麗で完璧な状態で歴史を乗り越えて来たなんて、まるで奇跡の様だ。

ドイツ製レトロ真空管ラジオ「SIEMENS Super-D7」、う〜ん、もう言う事無し!

まとめ

今、FMでクラシックを聴きながらこの記事を書いています。

この「SIMENTS Super-D7」、数十年…いや下手をすると5〜60年ぶりの電源ONだろうから、今日明日は適度に連続運転時間を伸ばしながらエージングしてやろうと思います。

SIEMENS 20cmフルレンジ「6 Ruf lsp 22a」後面開放で聴くクラシックは素晴らし過ぎる。

ボーカルなんか歌い出したら、目ん玉飛び出します。

私はやっぱり、ステレオよりモノラルの方が好きなのかもっ!

それでは、また〜♡