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経年で抵抗が高抵抗化していたのでこの際全ての抵抗を今時の抵抗にリキャップし、同時に直熱管の「UX-12A」のヒーターを直流点火に切り替えました。70年前のビンテージ20AWG単線極太オレンジ線材と電解コンデンサー群が迫力あります。

古い抵抗を全てオーディオ用高精度抵抗でリキャップ

完全に猫に小判ですが、どうせ交換するならと古い抵抗を全てオーディオ用高精度抵抗でリキャップしました。これで全ての真空管はオリジナルの回路設計通りの動作点で動く訳です。

ついでに、電源平滑回路を増強

以前の記事にも書きました様に B電源のリップルは 200mV程度に抑えられており、これによるハム音への悪影響は無かったのですが、今回の抵抗リキャップ作業のついでに電源平滑回路を増強して B電源のリップルを 50mV程度にまで押さえ込みました。

よって B電源リップルによるハム音への影響は全く無いと言えるレベルになった筈です。

直熱管「UX-12A」ヒーターの交流点火について

「コンサートン RM-5」のオリジナル回路では直熱電力増幅管「UX-12A」が交流点火になっていて、カソードバイアスはトランスのヒーター用 5Vセンタータップから取り出す方式になっています。

今までの各種検証の結果、これはこれでかなりヒーターハム音を抑えられている事を確認しているのですが、しかしあくまで 5Vクラス交流点火なので自ずと限界はあり、どうしてもある程度のヒーターハム音は残ってしまいます。

ついに、直熱管「UX-12A」ヒーターを直流点火に

よって今回ついに… 「コンサートン RM-5」のオリジナル回路を大きく崩して「UX-12A」のヒーターを直流点火する改造を行ってみました。具合良くラグ板を立てる場所があったので、そこにブリッジダイオードによる 5V整流回路を組んでみました。狭くて苦労しましたが何とか上手く出来ました。

バラックでは(10000μF x 4)+(1Ω x 3)の CRパイ型フィルターで最終リップルを負荷有りの状態で 1mVまで実現しましたが、どうやら此処までやる必要は無く最終的に(10000μF x 2)+(1Ω x 1)による 40mVのリップルで十分でした。

直流点火にした結果今までどうしても消せなかったハム音を消す事が出来たので、やはり残っていたハム音は「UX-12A」交流点火によるヒーターハム音だった事が明らかになった訳です。

それでも残った微小なハム音やノイズは

  1. 直熱低周波増幅管「UX-26B」のヒーター交流点火によるもの
  2. 誘導ハムやグランドループノイズ等によるもの

ですが…

「UX-26B」のヒーター交流電圧は 1.5V仕様でハム音は元々十分に抑えられており音量ボリュームを少し絞った状態では全く表に現れない程度なので直流点火にする必要性は一切感じられないし、誘導ハムやグランドループノイズ等はラジオの設置場所や ST管、各種トランス、同調コイル配置等の機構的問題もありオリジナルを崩してまでこれ以上は弄るのは得策とは思えず、またそれはスピーカーから 30cmも離れれば全く気にならない微小なレベルに抑え込めているので問題無しと判断しました。

まとめ

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今回の改造で「コンサートン RM-5」は完全オリジナルでは無くなりましたが、私は「オリジナルのまま大事に飾っておく派」ではなくて「使ってなんぼ派」なので改造した事を全然後悔なんかしてないし、改造と言っても少し配線を変えただけなので何時でもオリジナルに戻せる状態を維持しています。

でも… 昔の日本製ラジオを弄るのはこれが最初で最期にしたいと思います。

今回の整備で何が苦労したかって、硬化したトランス周り線材の引き回しです。下手に動かすと被覆がパリパリ割れてしまうので殆ど動かさないで整備をする事になりとっても大変でした。「古い線材は全て新しいモノに交換すべし」という人も居ますがトランス直出し線の場合それも出来ず、無理にやっちゃうとマジでオリジナル色が無くなってしまうので私は行いません。

今回の「コンサートン RM-5」の改造は超!慎重に行ったので最期まで失敗無く美しく完成しましたが、また同じ事が出来るか?と言われたら自信がありません。やっぱり私にはトランスが無く配線がシンプルなアメリカ製 GT管トランレスラジオが似合っている様に思います。

ふぅ〜

これでやっと… とっても静かな「コンサートン RM-5」になりました。これで落ち着いてクラシック音楽や CBSニュースが聴けます。

私の GT真空管ラジオコレクションに初めて ST管の日本製「コンサートン RM-5」が仲間入りですっ!

じゃ、またね〜♡

情報求む

「コンサートン RM-5」の様な 5Vヒーター直熱三極管「UX-12A」を使った昔の真空管ラジオをお持ちの方にお尋ねいたします。私の見解では同様のラジオでは必ず「ヒーターハム音」が発生していると思うのですが皆さんのラジオは如何ですか?

あっ、「昔のラジオはハム音があるのは当たり前」という意見は今回は無しで。その事は重々承知しているのですが、しかし実際同様のラジオを鳴らしている人たち全員が等しく「ヒーターハム音」を諦めながら聞いているのか?知りたいのです。

「ヒーターハム音」が聞こえない様にラジオの音量を大きくして聴いているという人もいらっしゃると思いますが、例えその様な人でもラジオの音量を一番絞った(放送が聞こえない)状態ではきっと「ぶ〜ん」という「ヒーターハム音」が聞こえると思うのですが…

もしかしたら、同様のラジオで音量を一番絞った状態で「ヒーターハム音」なんか全く無いよ!なんていう人、いらっしゃるのでしょうか?信じられませんが…

宜しかったらコメント欄に書き込んで頂けたら嬉しいです。

お待ちしております♡