この「RFT L2322 13cmフルレンジ」後面開放は以前「5670 SRPP」アンプでよく聴き込んでいたのだが、今の「Sylvania 1276 直熱三極管」アンプでは殆ど使っていなかったので今日改めて聴きこんでみた。

アンプによる音の違い

まぁしかし「Sylvania 1276」or「WE205F」直熱三極管の純A級アンプを扇風機で冷やしつつ 13cmスピーカーをモノラルで鳴らすなんてキチガイな人はいないと思うけど、贅沢にも私の場合はそれに輪を掛けて年中小音量で BGM的に聴いていたりする。

以前は「5670 SRPP」アンプでも結構良い音が出ていると思っていたのだが、この「1276直熱三極管」アンプで聴いてみると駄耳の私にも明らかに判る様な素晴らしい音が鳴る事に衝撃を受けた。

13cm後面開放なので低域は諦めていたのだが、「1276」アンプでは低域が充実して聴こえるのだ。

このスピーカーは元々低域が出ない代わりに透明感溢れる中高域によってボーカルの様な人声が素晴らしく良く聴こえるのだが、今回の「1276」アンプ使用の低域充実により音楽でもかなり使えるスピーカーになった様な気がする。

ニアフィールドで聴いてみた

ならば…

という事で、スピーカーの設置位置をより自分に近づけてニアフィールド環境で聴いてみる事にした。

耳から 30cmの位置に設置。

聴いてみると、これが 13cmの音かっ!

と思ってしまう程の素晴らしいバランスで鳴ってくれる。

勿論、今までの「Telefunken 21cm」と比べたら全体のスケール感こそ小さくなるが、それでもどうしてこの小さい 13cmのスピーカーからこんな音が飛び出して来るのか!というのが新鮮だ。

もしや、机上ニアフィールド環境での小音量再生においては 20cmクラスは大げさ過ぎて、逆に 13cmクラスが丁度良いのでは?と思わせてくれる様な感覚を持った程なのだ。

ボーカルなんか聴くと明らかに 20cmよりも 13cmの方が音声の明瞭度があり艶っぽく聴こえる。

改めて、「RFT L2322 13cm」フルレンジの素晴らしさが身に沁みた。

ヤフオクで RFT L2322を落札

そんなおり偶々ヤフオクを見ていたら新品同様の「RFT L2322」が出品されているではないか。

しかしいつも驚くのは 1960年代に製造されたこのスピーカーは 60年経過した今でもゴムラバーエッジが全く痛んでおらず今でもピチピチの柔らかい状態である事だ。

通常なら硬化してボロボロに朽ち果てててもおかしくないのだが、RFTのこのシリーズで朽ちたゴムエッジのスピーカーを見た事は無く、このゴムの材質は経年変化に強い材質なのかも知れない。

という事で私はこんな「RFT 13cm スピーカー」を非常に気に入っているのだ。

私は既に「RFT 2301」使用のスピーカーを1体、「RFT 2322」使用のスピーカーを 2体所有しているのでもうこのシリーズのスピーカーはこれ以上必要無いのだが、しかしこういうビンテージ物で程度の良いモノは時代と共にどんどん少なくなって行くだろうし入手出来るチャンスには手に入れておくべきという思いからスペアとしてストックする為落札に踏み切った。

そして、ご覧の通りまるっと新品同様の美しい状態の「RFT L2322」ペアが届いた。

こんなに美しい状態であるにもかかわらず、私の拘りで全体的にワックスを掛けて磨き上げ、ゴムエッジ部分には私が信頼している「クレポリメイト」を薄く塗ってゴム部分を保護した。

今までの 60年間で全く痛んでいない様な素晴らしいゴムエッジなので逆に何もしない方が良いのでは… という意見もあるのでしょうが、敢えて私は「ポリメイト」塗布を選択した。

ゴムが硬化してからの「ポリメイト」では手遅れで、早めの表面保護が有効と思ったからだ。

まとめ

真空管オーディオ装置系において、時代による劣化、または壊れる可能性が高いものの順は下記の様に思われる。

  1. 真空管(整流管)
  2. 真空管(出力管)
  3. スピーカーエッジの劣化
  4. スピーカーボイスコイル断線、接触
  5. 電解コンデンサー

このうち将来に渡って入手可能なものは「電解コンデンサー」位で、真空管やスピーカーはもはや製造されていないビンテージ物なので、気に入っているものは入手可能なチャンスがある時に入手してストックしておく方が良いと思われる。

もし将来気が変わって不要になっても、ヤフオク等で同値かより高い値段で売れると思うのでストックしておいても損は無いと思う。

これで「RFT L23XX 13cm フルレンジ」スピーカーを 5個所有した事になる。

相変わらず、キチガイですね。

では、また〜♡